今朝、出勤の際、『メンメンっ♪』と鳴く蝉の声を今年初めて耳にしました。
そろそろ梅雨明けなんでしょうか?
今より少し前、6月下旬の休日を利用して西山三山のひとつ柳谷観音立願山楊谷寺(ヤナギダニカンノンリョウガンザンヨウコクジ)と言うお寺に行ってきました。
眼病平癒の祈願所として有名なお寺です。
今の時期は紫陽花、秋は紅葉が見事なお寺です。
そのわりに観光客が少なくONシーズンでも平日であれば比較的ゆったりと散策できます。
長岡京市の山間(といってもほぼ京都と大阪の府境ですが…)にあり我が家(高槻市)からはクルマで30分ほどなので、日々の生活のちょっとした気分転換を兼ねて、たまにふらっと訪ねたりします。
この日も「紫陽花でも見に行くか!」と言うことで家内と二人、昼食がてら訪ねたのですが、今年は梅雨の前半に雨が少なかったせいか、まだちょっと時期尚早だったようで、満開と言う訳にはいかず、気の早い紫陽花がちらほらと咲いている程度でした。。。
生憎の空模様だったことも手伝って、例によってこの日もほぼ貸切状態で、ゆっくり散策を楽しむことができました(^^;)
このお寺、山の斜面を上手に利用して奥ノ院から本堂まで、見応えのある回廊庭園を構築しています。
そんな中でも、私の一番のお気に入りスポット!
庭園の片隅にある蹲踞(ツクバイ)なんですが。。。
この蹲踞の水を利用して音を奏でる庭園音響装置があります。
『水琴窟』っていう装置なんですが、みなさんご存じですか!?
写真の蹲踞の前の大き目の石でかこってあるところに柄杓で水を掛けて、そこに竹筒の節をくり貫いたモノの先を添え、反対側の先に耳を当てて聴くと、なんとも心に染み渡る様な涼しげな音色がします!
洞窟の中でガラスの棒を僅かに打ち合わせたような、木琴ならぬ、ガラス琴とでもいいましょうか。。。
微かに『...キン..クォン...カン..クィン...♪』みたいな感じです♬
構造は、地中にひっくり返した甕(カメ)などを埋めて空洞を作り、その伏せ甕の底に適量(良い音が出る程々の量)の水を貯め、その水に柄杓で掛けた水が水滴となり落下着水した時に発する音を反響させる仕掛けだそうです。
(日本水琴窟フォーラムのHPより)
ヘルムホルツ共鳴という効果を利用した音響装置らしいです。。。(^^;)
江戸時代初期の茶人であり作庭家でもある小堀遠州さんと言う人が考案した蹲踞廻りの排水装置『洞水門』から発展したものだとされています。
遠州さん、ヘルムホルツ共鳴の原理を意識していたのでしょうか???
ここ楊谷寺では「耳を澄ませ、庭園にたつ音を心の眼で聴く」という想いを込めて『心琴窟』と名付けています。
眼病平癒の祈願所らしいネーミングですね!
不思議な事に、寒い時期に聴くと、心なしか少し暖か味のある音色に聴こえるような。。。
みなさんのお庭にもお一ついかがですか?
兎にも角にも、とても心が癒される音色がするので、ご興味がお有りの方は一度ご視聴あれ!