自然は曲線を創り・・・・・
今日から12月、冬の入り口がすぐそこまでやって来ています。
今日の晩から本格的に寒くなるとの事、皆様方におかれましてはくれぐれも
体調管理、ご自愛ください。
先日の公園の片隅。
「吹き寄せ」と言いますが、和菓子で良く聞きます。
まさに色とりどりで自然のなせる技ですね。
先日新聞で紹介をされた本を読みました。
紹介文で目にとまった一節が「自然は曲線を創り人間は直線を創る」。
日本人初のノーベル賞受賞者の湯川秀樹の随筆「自然と人間」に記されています。
この一節は朝日新聞の天声人語で「自然で偶然に直線が現れる確率は、曲線に比べると
無限に小さい。しかし、人間は直線が好きだ。簡単な規則に従い取り扱いも便利だから。
しかし、さらに奥深く進めば直線的でない自然の神髄に触れるのではないか」と。
ただ単に奥深いだけでなく、建築を生業にしている私達は常にこのような事例は間近見
ることができます。
例えば事務所にある杉のテーブルの天板。
左は丸太を切っただけの板、右は四角に加工した板です。
側面は自然のままの曲線と加工した直線です。
もちろん横から見れば水平で同じです。(机として物を乗せなければなりません)
例えば鉄筋コンクリートの建物の屋根。
真っ直ぐの野地(屋根の下地)に日本瓦がのっています。
当然瓦は真っ直ぐでそのように見えます。
同じ鉄筋コンクリートの野地でも・・
少し曲線に描かれ瓦がのっています。これを「むくり」といいます。
むくりのおかげで屋根のボリュームが出ています。
おしいのは破風(野地の端で屋根の下の へ の字に見えるところ)が下から上の
幅が同じなところ。
これはどうですか?
写真映りが悪くすみません。この破風は下が細く上にいくほど太くなっています。
先ほどのむくりの屋根より柔らかく見えますね。
最後に
このように人間も曲線を創ることができるのではありませんか。と言いたいのですが
やはり手間や費用を考えると真っ直ぐを選ぶのでしょうか?
今一度建築に携わるものの一人として、曲線と直線を考えて参りたいと思います。